タイトル

第2章

1.ミロンガってどんな場所?

ミロンガは、アルゼンチンタンゴ(サロンタンゴ)のダンスパーティが開催される場所です。都内では、タンゴのダンス・スタジオやタンゴバー、公民館などで毎日のように開催されています。

ミロンガ風景

平日の夜、仕事終わりにぷらっと立ち寄ったり、休日にちょっとおめかしして出かけたりと、タンゴ好きが集う場所になっています。

ミロンガによって、かかる音楽や集まる人の顔ぶれも異なってきますので自分のお気に入りのミロンガを見つけるとよいでしょう。
ミロンガでは、DJが選曲したタンゴの音楽が流れ、フロアでは踊ることができ、フロアを囲むように並べられた席ではゆっくりとくつろぐことができます。

楽しみ方は人それぞれ。
お気に入りの曲がかかったら、その曲を一緒に楽しみたい相手を誘って踊る人、その日のDJが選りすぐったタンゴの選曲に耳を傾ける人、友達とワインを片手におしゃべりを楽しむ人……
ゆっくりと流れる時間の中で、アルゼンチンタンゴのロマンチックなメロディを聴きながら女性の美しい足さばきを眺めるだけでも非日常を味わえます。
必ずしも踊らなければいけないというわけではないので、初心者の方もぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

ミロンガによっては、バンドを招待しての生演奏やプロダンサーによるショーを行うこともあります。ちょっと気後れしてしまうという方には、タンゴオリジンで初心者向けのプレミロンガも開催しています。
 


2.知っておきたいミロンガのルールとマナー

ミロンガで楽しむためには、お互いに心地よく過ごすためにちょっとしたルールとマナーを知っておくことが大切です。

ミロンガ作法

第一にミロンガで踊る場合、男性から女性を誘うのが鉄則です。
それも本場アルゼンチンでは、カベセオといって目で誘う方法があります。お互いの目が合えば、フロアまで男性がエスコートして踊り始めます。
この方法だと、男性はもし断られたとしても誰にも見られず恥ずかしくありませんし、女性も目を逸らして簡単に断れるという利点があります。
ですが、日本ではあまり馴染みがないので直接男性が女性のところまで行って「踊っていただけませんか?」と誘うのが主流です。女性はもし踊る気分でなければ「今、休んでいるので」とスマートに断ることもできます。

ミロンガで流れる曲は、踊るための3~5曲がひとまとまり(1タンダ)になって構成されています。
タンダとタンダの間には必ずコルティーナという休憩の曲が入ります。
同じタンダの中で使われる曲は、音楽の種類(タンゴ、ワルツなど)やオルケスタ(楽団)、演奏された年代を統一している場合が多く、同じ雰囲気でまとめられています。

踊りに誘う際にはタンダの最初に流れる曲を聞いて、「この曲は彼女と踊りたい」と踊る相手を見つけるとよいでしょう。

また1タンダが終わりコルティーナが流れたら、どんなに踊りたくても一旦は席に戻りましょう。

踊る場合、フロアを反時計回りに大きな円を描きながら進みます。
基本的には他のペアを追い越したり、ぶつかったりしないように男性が注意しながら女性をリードします。上手なペアが多いパーティは流れが滞りなく見ていて美しいものです。

最初は難しいかもしれませんが、男性は相手の女性がぶつからないように気遣える技量が最低限必要になります。
女性は優しくエスコートしてくれる男性を選んで踊りましょう。
 


3.ミロンガで誘い、誘われるために……

男女の距離が近いアルゼンチンタンゴでは、お互いに気遣いがあってこそ気持ちよく踊りを楽しめます。ミロンガによって雰囲気は異なりますが、最低限の身だしなみを整え、デオドラントなどに注意しましょう。

誘われるために

相手を不快にさせてしまうようだと、誰にも踊ってもらえないという事態にも!?
誰だって、素敵な男性、素敵な女性と踊りたいと思うでしょう?
それに、その場に合ったお洒落を楽しむのも気分が上がります。最近はドレスコードのあるスタジオもありますね。
ドレスアップしていけば、それだけ誘われるチャンスも多いかもしれません。

フロアでお誘いする際にもちょっとした心配りが必要です。
パートナーと来ている方を誘う際には、相手の方に一言「お誘いしてもよろしいですか」と断ったり、踊り終わった後に「ありがとうございました」と声をかけるだけで紳士的です。

また、その日初めて踊る場合、お互いの緊張が少しでもほぐれるように、ちょっとした会話をするのも有効かもしれません。ただ、踊っている最中におしゃべりが多いのは困りもの。曲と曲の合間にさりげないおしゃべりができるのが素敵ですね!
このほかにもいろいろとコツはあると思いますが、まずはミロンガに顔を出し、顔見知りを作れば自然と踊れる人も増えていきます。
全く知らない人と踊る楽しみもありますが、気心の知れた人の方が誘い、誘われやすいもの。友達ができれば、行く楽しみもぐっと広がりますよ。